年別アーカイブ: 2023年
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第21回目。Cliches(クリシェイ;常套句)とは、owl eye nucleiやCommas and tadpolesのように、古くからLeverの教科書に載っているような決まり文句でありますが、Ackermanはこれらを、言い古された新味のない陳腐な表現だと否定しています。なぜなら、これらの所見は特定の疾患に特異的に見られる所見でない上に、生き生きと深く考察しようとする学習態度には何の役にも立たない、と述べています。
「金原出版:皮膚科の臨床(2023年11月号)日常診療に潜むリンパ腫・リンパ増殖性疾患」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第20回目。古くから正しいと信じられてきたことの中には誤りがあって、これをAckermanは「神話mythology」と称しています。たとえば、小型の類乾癬とT細胞リンパ腫とが無関係とされていることや、ケラトアカントーマが良性疾患であること、脂腺母斑から基底細胞癌が多く発生するなど、これらは真実でないので惑わされないようにと述べています。
「金原出版:皮膚科の臨床(2023年10月号)生活習慣が関連する皮膚疾患」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第19回目。皮膚病理学の診断基準には例外があり、それを習得することが誤診を回避する意味でとても重要であることを解説しています。たとえばKamino小体がメラノーマでも検出されることなど。また、同一疾患でも発生場所や患者年齢、人種によっても診断基準に差異が生じることも知識として知っておかなければならないと述べています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第18回目。診断の落とし穴について、Spitz 母斑とメラノーマ、黄色肉芽腫と肉腫を例に挙げながら解説しています。また、一度の失敗(落とし穴にはまること)は仕方のないものの、その理由を知識として記憶し二度と同じ失敗をしないように学ぶことも大事だと説いています。
シミ、しわ、たるみと遠ざける60代、70代からやるべき「洗顔、保湿、紫外線ケア」など、正しいスキンケアの基本を紹介しました。正しいスキンケアの第1歩は、自分の肌質をまず知ることです。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第17回目。鑑別診断のリストが長いほど知識が豊富な医師であるという考えにとらわれて、むやみにたくさん鑑別診断をあげるべきではない。理想的には、鑑別診断のリストが短くて唯一の正しい診断のみをあげることができる病理医こそが真に有能であることを解説しています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第16回目。病理組織所見が酷似していて、鑑別が難しい疾患について例を挙げながら解説しています。そして、類似の組織所見を呈するけれども、臨床情報や検査所見を詳細に検討すれば鑑別できる疾患と、ほぼ同等の組織所見を呈しHE 標本では鑑別が不可能な疾患があることも疾患を挙げながら記しています。
「夏になると、毛穴が目立つのはなぜ?教えて!赤須先生〜夏の毛穴対策〜」
夏になると顔の毛穴がとても目立ちます。その理由を解説するとともに、肌タイプによるお手入れの違いや、使用すると良い化粧品、有効な美容治療を紹介しました。毛穴ケアに手遅れはありません。今からのケアで将来の肌が変わります。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第15回目。パターン分析に基づく皮膚病理組織のアルゴリズム的診断法の有用性について、具体例を挙げながら説明しています。これまで一貫した診断手順が存在しなかった歴史の中で、誰でも使う事のできる汎用的診断手順の創案は高く評価されました。また、臨床情報なしでも組織標本から診断に有用なヒントが得られることも記されています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第14回目。皮膚病理組織診断において、最弱拡所見は最も重要であり強拡大所見は誤診を犯す危険性が高まることを警告しています。弱拡大での組織構造の変化と細胞浸潤のパターン分析は炎症から腫瘍,過形成,過誤腫,形成異常,囊腫,沈着症まであらゆる種類の皮膚疾患に適用することができることが書かれています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第13回目。「診断の手掛かり」所見は、診断確定の必須条件ではないがヒントになるものを指しますが、例としてSpitz母斑のKamino小体や、LE profundusのムチン沈着、メラノーマのsolar elastosisが挙げられています。それ以外に、300項目のヒントをまとめた書籍が紹介されています。
「金原出版:皮膚科の臨床(2023年03月号)悪性上皮系腫瘍」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第12回目。「錯覚と現実」というテーマで書かれています。皮膚病理組織診断における錯覚(誤診)を防止するには,診断の落とし穴や診断の手掛かり所見をなるべく多数知っておく必要があり、また過去に経験した類似の誤診症例を思い起こすことも役に立つことが記載されています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第11回目。病理診断という形態学的判断は100%主観的なものであるため、研究者が合意した確かな診断基準が存在しなければ,首尾一貫した確実な診断を行うことができないことを説いています。また、用語の定義や、再現性のある正確で信頼に足る診断基準は、症例の積み重ねで新たな事実が明らかになれば改訂、改良する必要がある事も記されています。
全国のシーボンサロンに通うお客様たちの中から今年のコンテストにエントリーしたのは3061名。肌のキメやホワイト画像、ブルー画像などの観点から優秀賞に選ばれた5名の方の肌データーを審査してコメントしました。
「金原出版:皮膚科の臨床(2023年01月号)免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第10回目。一つの疾患が多彩な現れ方をするというテーマで、たとえば、類乾癬に分類されている種々の皮膚疾患は本質的には菌状息肉症であること(これには異論もありますが)や、BCC も臨床・組織学的に多数の病型があり、年齢が進むと二次性腫瘍として生じてくることもある。そういう点も含めて多彩な現れ方を示すことを知っておかなければならないことを説いています。