年別アーカイブ: 2024年
「この先の老化を防ぐために、今できることはしたいから・・・ 教えて!赤須先生〜光老化とUVA・UVB、ブルーライトの関係〜」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第30回目。「診断法の限界」というテーマで書かれています。病理医が診断を下す際、人間なので時には誤診を犯すことがあるとした上で、それを最小限に食い止めるためには、再度病歴の確認や臨床医への問い合わせ、過去の標本(があれば)の確認が必要であるとしています。また、翌日頭がクリアの状態で再度顕微鏡を見直すと全く違う所見が見い出せることもある、と記しています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第29回目。「有益な病理報告書の構成」というタイトルで、皮膚科医が病理医に求めるものは、臨床皮膚科学の用語で記載された正確で具体的な特異診断である。「chronic nonspecific dermatitis」や「atypical melanocytic hyperplasia」を例に挙げ、これらは病理医が正確に診断できない言い逃れであると記しています。また、どうしても診断を決定できない場合には、コメント欄に考えられる鑑別診断を記載すべきだとも言っています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第28回目。「誤診を最小限に食い止める」というタイトルで、病理医から臨床医に正確な病理診断が届かない原因について、いくつかの理由を挙げています。たとえば、病理所見に理解しやすい用語を使っていないとか、集中力が欠如していると適切な診断に導けないなど。診断に苦慮したときは、翌日頭がクリアになった状態で再度顕微鏡を見ると全く違った考えが浮かぶものだと記されています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第27回目。「HE染色が最高の特殊染色」と記されています。免疫蛍光法、酵素抗体法、電顕などを取り上げ、その歴史的意義と限界が論じられています。登場したばかりの頃は随分ともてはやされますが、一時的なブームに終わり、どれも診断確定において重要な役割を果たしてこなかった歴史が綴られています。今は遺伝子変異や染色体異常が診断の決定的意義を持つとされていますが、慎重にみたほうがよいのかもしれません。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第26回目。この回では、「生検」につい述べられています。生検に適する時期はあまりに早期であっても晩期であってもよくない。発疹は潰瘍部では得られる所見が乏しい。また、どこまでの深さを採るかは大事で、通常シェーブは避けなければならない。特に腫瘍系はしっかり脂肪組織まで摂る必要がある。ただし、乾癬や脂漏性皮膚炎、PRP、ILVEN、AK、表在性真菌症などは例外でシェーブであっても診断が付くことを説明しています。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第25回目。Ackermanの提唱するUnifying concept(統合概念)とは、一見、異なる病理所見を呈していても、基本的に同一疾患をみなされるものは、一つの疾患概念のもとにまとめるという考え方です。たとえば、ケラトアカントーマや疣状癌、増殖性外毛根鞘嚢腫がいずれもSCCの亜型や表現型とみなされるなどを例に挙げています。それによって、疾患の分類はより合理的になっていくわけです。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第24回目。病理所見を読む際、どこが重要所見なのか、特異的所見が存在するかどうかがポイントとなります。それはしばしば最弱拡大によってなされ、良、悪性腫瘍の鑑別には個々の細胞の形態よりも全体構築が重要であることが記されています。この章では、他に、メラノーマの診断基準が長年にわたって明記されてこなかった歴史が述べられており、Ackermanによって初めて診断基準が確立された経緯も示されています。
「金原出版:皮膚科の臨床(2024年02月号)ウイルス感染症」
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第23回目。特定の病理組織所見には、臨床的な意義があることを解説しています。たとえば、真皮内の線維化やメラノファージの存在、形質細胞の浸潤、細胞の壊死像など、メラノーマ原発巣の完全消褪所見から予後を推測できることなどが例に挙げられています。しかし、必ずしも消褪所見が予後良好をあらわす所見でないことも書かれており衝撃的でした。
Ackermanの著書『A Philosophy of Practice of Surgical Pathology:Dermatopathology as Model(皮膚病理学を範型とする診断病理学の実践哲学)』の内容を斎田俊明先生との対談によって進めていく第22回目。鑑別診断とは,臨床的あるいは病理組織学的に類似の所見を呈する疾患を判別する作業のことであり、この臨床的鑑別診断が病理組織診断の確定に役立つことがあることを解説しています。それは,臨床医が常に一定の誤診を犯す疾患が存在するからであり、臨床的にほぼ常に決まった誤診をされる疾患については,その臨床診断名が病理組織診断の確定に大きな手助けとなる、と述べています。